念願の消防士には合格したけど、うまくやっていけるか不安でいっぱい。
知っておくと助かることってあるのかな?
厳しい試験に合格し、消防士への内定を勝ち取りおめでとうございます。
喜びと共に、これから始まる消防人生に不安もいっぱいな人も少なくないはずです。
今回は消防士として、15年勤務してきた私が消防学校から、3年目になるまでの消防生活を余すことなくまとめていきます。
なぜ3年目までなのか?
まず最初に伝えたいこととしては、消防士になって3年経つと一気に楽になります。
消防士の2年目はまだ、次の新人が配属されていないため、実質上はまだ1年目と変わりませんが、3年目からはしっかりと先輩になります。
本部によって新人が入ってこないようなところもあるかも知れませんが、扱いはいくらかは変わってはきます。
だからこそ、3年目までの期間が大切です。
この時期をいかにストレスを少なく過ごし、おかしなレッテルを貼られることなくやっていくかによって、今後の消防人生が決まると言っても過言ではありません。
消防学校での生活
消防学校での生活は、今までの学校生活とは全く違います。
消防学校に月曜日から金曜日まで軟禁され、消防士としてのイロハを徹底的に学びます。
ただ、ぶっちゃけいうとストレス度合いで言うと、勤務しだしてからの方が圧倒的にきついです。
消防学校には仲間がいます。きついことがあっても一人ではないという安心感があることは学校の最大のメリットと言えるでしょう。
今まで集団での生活をしていなかった人にとってはかなりの苦痛を感じるかもしれませんが、ここでの生活が無理だと感じるようなら、今後の消防人生は苦労します。
基本的に午前中は座学で消防に関する法律や戦術等々を学び、午後から訓練をみっちりすると思ってください。
詳しい6ヶ月の消防学校生活が知りたい人は下記の記事を参考にしてください。
消防学校を快適に過ごすために必要なもの
消防学校で必要なものは、案内によって説明があります。
しかし、それは必要最低限のものでしかありません。
基本的に自分のお金で用意して持っていってはいけないものはありません。
書いてないけど持っていくと学校での生活が快適になるものが下記の5つです。
- 裾留めバンド
- ポリエステルインナー
- 5本指ソックス
- 軽食・プロテイン
- 制汗剤
消防学校は一度入ると金曜日の夜まで買い物に行くことはできません。
あらかじめ用意しておくことが大切です。
お酒は絶対NGです。私の本部では処分を受けたり、配属先のトップが消防学校に謝罪に行ったりしています。
辞めるとまでは追い込まれないかもしれませんが、配属先でよく思われることはもちろんないですし、とてつもなく怒られます。
その他にも書いていないけど絶対に必要なものもありますので、心配な人は下記の記事を参考にしてください。
初配属から2年目になるまで
消防学校を卒業して、配属先で勤務。
これが本当のあなたの消防人生の始まりです。
まず、一番大事なことを伝えておきます。
半年間の消防学校ってなんだったのって思うぐらい、仕事ができません。
これは全く気にする必要がありません。
それは、消防学校は実務的な教育が圧倒的に少ない上に、新人消防士の仕事のほとんどが雑務。
そして、書類等の処理は、本部によって違うこともあり、消防学校ではほとんど学ばないからです。
そして、訓練も所属の本部によっては、学校とは全然違う形の戦術をとっていることもありますし、分隊長の指示で動くと言うことは消防学校ではほとんどしていないからです。
そのため、雑務ができるかできないかで評価されることが多くあります。
消防の雑務とは、料理や洗濯、掃除などと言った民間ではまずしていないことです。
今は職場で食事を作らないところも増えてはきていますが、料理や洗濯、掃除などといったことができないとこいつは使えないやつとすぐレッテルが貼られてしまうこともあります。
一人暮らしをした経験もない若手にとっては、最初の大きな難関になります。
今は男は家事をしなくていい時代ではなくなってます。
はっきり言って、仕事もしないような老害に色々細かく言われたりするのは非常にストレスを感じますが、これらができると結婚してから役に立ちます。
なので、ポジティブに考えて身につけていってください。
配属先で嫌われる新人消防士の行動
新人消防士が嫌われようと思えば簡単に嫌われます。
それは【自分勝手】にすることです。
消防士の仕事って基本的に誰が明確にするか決まってないことが多く、やらずにすますことも可能です。
一昔前であれば、厳しくサボっていたら、いきなり体力錬成ってこともありましたが、今はそんなことはなくなり、やってなければ、他の人がしてくれます。
ただ、昔ながらの人は当然これを見て、いいと思うことはなく、やらされる人になるとなおさらです。
雑務をするために消防士になったんではない。
私もそう思っていました。しかし、24時間勤務で働く以上、仕方がない面もあります。
運よく協力してくれる人が多い所属に配属されたおかげも大きいです。
何もしない、偉そうにしている老害のためには苦痛かも知れませんが、頼りになる先輩や親身になってくれる上司のためにやってると開き直るしかありません。
どんなことが【自分勝手】と思われるてしまうのか、どう対策すればいいのかは下記の記事を参考にしてください。
番外編①【保険のセールスに注意】
消防学校を卒業し、配属されると保険のセールスの洗礼を受けます。
初の社会人で保険の知識も何もないところを狙われ、気づいたらなんとなく保険に加入してしまう消防士がほとんどです。
貧乏消防士になりたくなかったら、この保険は必ず断りましょう。
保険の賛否はありますが、家庭を持っていない時に、保険に入る必要はありません。
消防士だし、ケガの不安とかもあるし…
消防士は他の仕事に比べると、ケガの心配はあるでしょう。
実際、ニュースでは消防士の殉職やケガを見る機会もあるかもしれませんが、これは本当に稀なケースです。
もし、万が一のことを考えるとしても、掛け捨ての保険で十分です。
公務員の給料は決して高くありません。まして若手であればなおさらです。
いまだにみんなが入ってるんだから入っておいた方がいいとなんの金融知識も持っていない老害が入るようにすすめてくるようなところもあります。要注意して入らないようにしましょう。
2年目の消防の過ごし方
消防士の2年目は、まだ新人が消防学校中でいないため、実質1年間のほとんどが新人として扱われます。
日中は基本的に訓練をお願いすることが無難ですが、訓練もですが、様々な実務も学んでいかなければなりません。
しかし、難しいのが、実務の処理もなるべく早くしないといけないため、訓練と実務を両立することがとても難しいです。
さらに、若手は救急に乗らされることが多く、途中辞めとなることも多々あります。
出動でできないことは基本的に叱られるようなことはありませんが、なかなかきちんと最後まで学ぶことができないことが多いです。
早めに、それなりに仕事ができる近い先輩に聞く癖をつけておくことが、2年目を過ごしやすくするコツです。
出動があって、最後まできちんと教えてもらっていないのに、次同じことをするときに、覚えていないのかと怒られるのは消防であるあるです。
ここで、自分で先輩に聞いておき、そつなくこなすと評価はかなり高くなります。
消防の事務処理は、滅多に来ないものも多く、なかなか本番の処理をすることができないこともあるので、来たときはしっかり身につけておくと、あなたの階級が上がった時にも助かります。
出動してれば、事務処理や雑務をしなくてすむのはすみます。
しかし、消防士をずっと続けていきたいと思っているなら、この時期の評価や覚えておくことはかなり重要だと言えます。
聞きやすい新人の2年目の時期にしっかり優しく、詳しい人を見つけ、教えてもらえるようにしておきましょう。
3年目の消防の過ごし方
消防士3年目は、自分の下に後輩がつくようになります。
本部によっては後輩が出来ず、新人扱いのままの場合もあります…
2年目でしっかりしていないと、3年目で教える立場にされてしまうので、ここで教えることができないと新人から頼りない先輩と思われるだけでなく、上の人からもあいつは全然やってこなかったやつというレッテルを貼られます。
2年目で全部を覚えるなんて不可能なので、知らないことがあるのは当然です。
しかし、上の人はそう思わない人が多いのです。
うまくやるコツとしては、分からない時に「これってこれであってますか?」と分かってるけど確認してる感を出しましょう。
年数の短い先輩も、本当は全部覚えていない人が多くいます。なので、なんとなくで答えるし、上の人に怒られかけたら、一応先輩に確認したんですけどと、先輩を売ってしまえば構いません。
優しく、できる上司なら、その場でやり方を新人と共に教えてもらえる場合も多くあります。
うまく教えてもらいながら、教えるが3年目では大切です。
そして、教えてもらったことが身に付いている雰囲気をしっかり出して、なんとなくで構わないので任せれる人となると、ちょっとぐらい分からないことがあっても、まだ教えてもらってないと思ってもらえたり、訓練でも失敗することもあるよなとすませてもらえるキャラになることができます。
消防はすぐにレッテルを貼ってきます。
これはできない人達が自分を守るために、まだできない若手を生贄にしているようなものです。
上司や先輩を見極めて、できないくせに力がある人にレッテルを貼られないように仕事をこなしていきましょう。
最悪の事態に備えて知っておくべきこと
最悪の事態とは何か?
心が病むことです。
若手が厳しい配属先になり、心が壊れてしまった話は、何度も聞いてきました。
パワハラする人は自分がパワハラしてると思っていません。
新人は何て言われるかというと
「あいつは心が弱い。こんなことでは消防士はやっていけない。」
確かに消防士は、凄惨な現場や過酷な状況に耐えなければいけないことはあります。
それでPTSDになってしまうような職員もいます。
ただ、それを日常でする必要は全くないのです。
むしろ、いろんな事例を学び、心の強さを身につける教養を実施すればいいにも関わらず、いまだに時代錯誤な人がたくさんいます。
もし、心が壊れそうになったら、迷わず休みましょう。
そして、信頼できる人に相談してください。
そんな人が全くいない、話したところで改善されないとなれば、診断書をもらい、病休をとり、転職活動をしましょう。
最初の就職が消防士で、志高く入った人ほど悩みます。
だからこそ若くても、辞めていい。休んでいいということを忘れないでください。
あなたが思ってるより、心が壊れる人は多くいます。
そういうことがあるんだということは若くても絶対知っておいてほしい。
もしもに備えて休日に学ぼう
消防士には休みが多くあります。
私自身、その休みの多さにも何も学ばず、ギャンブルや遊びに費やしていました。
若い時は、周りも遊んでる人が多く、仕事でも覚えることがあるのに、学ぼうなんて気持ちになるのは難しいでしょう。
しかし、今の時代は変化が大きく、必ずしも消防士だけしてればいいということはなくなってくるでしょう。
もっと早くいろんなことを学んでおけばよかったと何度も後悔しました。
辞める辞めないということもありますが、公務員にもそのうち副業が解禁される可能性もあります。
そんな時、何もできないとならないように今から自分の視野を広げ、スキルを身につけておくことをオススメします。
最後に
消防の仕事は特殊です。
転職していなければ、それに気付くこともありませんが、いまだに古い慣習や時代錯誤なことが平気で行われます。
ただ、若手のうちではそれを変える力はありません。
コミュ力がとてつもなく高ければ、うまくできるかも知れませんが、多くの人は反発をされることになってしまいます。
消防学校から3年目までは、我慢の連続です。
合理性のない気遣いもたくさん感じるはずです。
ただ、あなたが消防士として、活躍したいと思うなら、この時期を大切に過ごしてください。
コメント