
消防士を辞めるなんてもったいないと上司や家族から言われるけど、どうしてもったいないの?
消防士になった時に、「これで将来安定だね」と家族から言われました。
仕事が嫌な時に、「辞めてどうするんだ?もったいないぞ。」と先輩や上司から言われました。
消防士を辞めたいけど、親や家族から『もったいない』と言われそうで言い出せない。
せっかく消防士になったのに、公務員を辞めるなんて本当にいいのか。周囲から見れば安定している仕事だからこそ、中にいる本人のつらさは分かってもらいにくいです。
消防士を辞めることは、たしかにもったいない面があります。
給料の安定、社会的信用、福利厚生、公務員という身分。これは簡単に捨てるものではありません。
ただし、もったいないから続けるしかない、という話でもありません。
公務員の安定は大きい。でも、それが心身の限界を消してくれるわけではありません。外から見える安定と、中にいる本人の苦しさは別です。
実際どれぐらいの人が辞めている?
あなたの周りの消防士は定年退職以外でどれぐらい辞めていますか?
私が消防士になったころは、辞める人はほとんどいませんでした。
しかし、最近は仕事ができる人ほど辞める傾向があるようです。
本部によって違いがあるものの、辞めている人もいるなといった体感のレベルではないでしょうか。
退職辞令で見るだけなので、同期や一緒の勤務でなければ、いまいちピンとこない人が多いでしょう。
令和3年度の地方公務員の離職状況については下記のようになっています。


データによると令和3年度の普通退職の割合は38.4%です。
公務員を辞めることはかなり珍しいことのように言われていますが、実際はこれだけの人が退職をしており、退職することは実はそれほど珍しいことではありません。
令和3年度だけでなく、令和2年度の普通退職の割合は35.1%、令和元年度の割合は34.9%(総務省HPより)と毎年同じぐらいの人が辞めています。
公務員であっても、民間と同じく3割程度の離職率になっているのです。
少しずつではあるけど、年々退職する人のパーセンテージは高くなっています。
では消防ではどうでしょうか?


消防だけを見てみても、普通退職は33.2%です。
決して少ないとはいえない数字だということが分かってもらえたのではないでしょうか。
令和2年度では、普通退職は26.8%、令和元年度は26.4%となっています。
私も消防士を辞めています。
消防士になる前に民間を経験し、消防士を辞めた後は個人事業主として働いています。民間も独立も楽ではありません。それでも、消防の中だけで人生が決まるわけではありません。
もったいないと言われる5つの理由
消防士を辞めることをもったいないと言われる理由は下記の5つです。
ここは否定しすぎなくていいです。家族が不安に思うのも、ある意味では自然です。
- 給料が安定している
- 突然リストラに合わない
- 仕事が楽
- 福利厚生が手厚い
- 社会的信用が高い
家族としては、不安定な生活を望んでいないから、これらの要素を思い描いて『もったいない』と言います。
それはあなたを否定したいからとは限りません。生活費、将来、世間体、家族の安心が不安なのです。
上司や同僚は、安定や休み、福利厚生を見て『もったいない』と言うかもしれません。
でも、その人たちがあなたの体調、家族との時間、将来への違和感まで背負ってくれるわけではありません。
実際、民間企業と比べても安定しており、景気に左右されにくいのは大きなメリットです。
だからこそ、勢いだけで辞めると後で苦しくなります。
自分自身ももったいないと思ってしまう最大の理由
周りから言われて悩むだけではなく、自分の中にも不安があるはずです。
公務員を辞めて生活できるのか。次の仕事はあるのか。せっかく消防士になったのに、ここで辞めたら今までの苦労が無駄になるのではないか。
しかし、自分を正当化してしまう最大の理由は
【今までの苦労の意味がなくなる気がする】ことです。
これは消防士に限らずですが、年齢を重ねるごとにその思いは強くなってしまいます。
ただし、消防士は特にこの傾向が強い人が多いといえます。
それは苦労が若いうちほど多いからです。
半年間の厳しい消防学校を経て消防士になり、配属されても若手のうちは、かなり厳しく指導される人がたくさんいるでしょう。
そのため、若いうちからもったいないという意識が芽生えやすい状態になってしまうのです。
嫌な職場からいい職場に異動した人はその傾向が強いことが多くあります。あれだけ辞めると言ってたのはなんだったんだろうと思わされることは何度もありました。
安定の奥にある辞めないデメリット
一生消防士として働く覚悟があり、安定を何より大切にしたいなら、無理に辞める必要はありません。
安定の裏には消防士特有の辛さが隠れていることを忘れてはいけません。
- 24時間の不規則な勤務
- 休みの日の突然の呼び出し
- 災害時家族より仕事を優先
- 昔ながらの上下関係
- PTSD
上記のつらさよりも安定が大事だと心から思えるなら、続ける選択も間違いではありません。
ただ、限界に近いのに『もったいない』だけで耐え続けると、判断がどんどん苦しくなります。
しかし、これ以外にも定年退職は70歳までになり、特殊勤務手当は減少傾向、市民からのクレームといった金銭的にも精神的にも辛いことはたくさんこれからも起こる可能性があります。
それでも【安定】≧【辞めた後の希望と不安】と考えれますか?
消防士を辞めたいと思っただけで、弱い人間になったわけではありません。
ただし、勢いだけで辞めればいいとも思いません。生活費、転職先、家族への説明、辞めたい理由は先に見ておいた方がいいです。
辞める決心をつけるには
もったいないと根拠も責任もなく言われても、実際辞めるには勇気がいるので行動に移すことは難しく、それを言い訳に決心をできずにいる人は少なくありません。
あなたが【安定第一】と心から思うなら、公務員を辞めなくても構いませんが、自分の気持ちに反して、モヤモヤしたまま現状維持はそれこそがもったいない行為です。
辞めたい理由がまだ曖昧なら、先に理由を言葉にしてください。
人間関係なのか、勤務体系なのか、体の限界なのか、将来不安なのか。理由が見えると、続けるにしても辞めるにしても判断が少し落ち着きます。


いきなり辞めるとまで極端にする必要はありません。
まずは『もったいない』と言われる前に、生活費、転職先、家族への説明、辞めたい理由を分けて考えてください。
家族に言えない人、後悔が怖い人、お金や次の生活が不安な人は、先に見る場所を分けた方がいいです。
家族に反対されそうで言い出せない人は、先に説明材料を作ってください。
生活費、退職時期、次の仕事、家族への影響を整理してから話すだけで、伝わり方は変わります。


後悔が怖い人は、辞めたあとに後悔しやすい原因も見ておいてください。
後悔の多くは、辞めたことそのものより準備不足から来ることがあります。


次の仕事が見えないまま退職を考えると、不安だけが大きくなります。消防士経験を活かしやすい仕事や業界を先に確認したい人はこちらです。


- 辞めたい理由を明確にして、書き出す
- 自分の市場価値を確認する
- キャリアコーチングを受ける
- 転職エージェントに登録する
- スキルを身につける
消防士を辞めても、そこで人生が終わるわけではありません。
でも、民間も独立も楽ではありません。若い時期でも、年齢を重ねていても、勢いだけで辞めると後で苦しくなります。
\ 転職で後悔したくないなら /
まとめ:消防士を辞めるのはもったいなくない
消防士を辞めるのは、たしかにもったいない面があります。
公務員の安定、信用、福利厚生を捨てるのは軽い話ではありません。
ただし、『もったいない』だけで人生を決めると、あとで苦しくなります。
本人が限界に近いなら、外から見える安定だけで判断できません。
ほんとうにもったいないのは、辞める・続けるのどちらも選べないまま、一人で抱え続けることです。
いろんな可能性を試してみて、それでもその結果消防士を続けるなら、それも正解です。
退職・転職の全体像を一度整理したい人は、こちらを確認してください。
辞めたい理由、家族、転職先、職務経歴書、退職方法を分けると、判断が雑になりにくくなります。


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